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大阪・ミナミ、インバウンドを取り込む街づくり 日本橋では情報収集に役立つフリーWi-Fiスポットも設置

◆大阪屈指の繁華街である道頓堀は、去年が道頓堀川が開削されて400年を迎えた。江戸時代には芝居小屋が立ち並び、やはりたくさんの人で賑わいを見せていたが、それは今にも引き継がれている。ところがここ数年、様子が少し変わってきている。街を行く人たちの大半が中国人、韓国人などアジアをはじめとした外国人観光客で埋め尽くされているのだ。この街での飲食や買い物の主役はもちろん彼らである。そんなインバウンド消費(訪日外国人観光客による日本国内での消費活動)が、大阪・ミナミの街で盛んなのである。電気とポップカルチャーの街、でんでんタウンでも大型量販店の上新電機が免税専門店を構えるなどインバウンド効果をねらった取り組みが盛んだ。でんでんタウンの隣り難波千日前に拠点を構えてインバウンド対策のコンサルタント業をする女性は自身の著書で、ミナミを「日本一インバウンドに篤い街」とし、そのひとつに日本橋でんでんタウンを挙げている。

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 「世界の難波へ 大阪のおもてなしはここから始まった インバウンドと街づくり・人づくり」(レベル刊)の著者の1人、牧香代子さんが日本橋をインバウンドに篤い街に挙げるその人だ。彼女が日本橋と関わるようになったのは、日本橋筋商店街振興組合(澤田沢治理事長)が作る観光マップの中国語版の制作に携わってからだ。今から10年前の話である。

 当時、半年をかけて作った地図には、公衆電話のかけ方もていねいに説明を書いていたというから、まさにおもてなしの極みのようなハンドブックでもある。
 彼女は今、インバウンドコンサルタントを名乗っている。その著書で「ミナミの偉大な先輩たち」として、いずれもインバウンド対策に積極的な5人を取り上げている。

 その中の1人が〈日本橋を作った男〉でもある共立電子産業の蘇建源相談役だ。彼女に中国語版マップの制作を持ちかけた1人でもある。同書では蘇相談役のでんでんタウンの街づくりの活動を通して、電気にこだわらずにポップカルチャー、エレクトロものづくり、ロボットといった具合に、次々と湧き出てくる新しい街の魅力を育てる施策が、インバウンドにも効果を発揮していることを指摘している。

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2016年3月に開催され25万人が集まった第12回日本橋ストリートフェスタ

 その極め付けは毎年3月に開催している日本橋ストリートフェスタである。すでに12回を数えているが、毎回25万人もの人たちをでんでんタウンに集めているビッグイベントに育っている。来春の第13回の開催に向けての準備もすでに進められている。

 これの発案者のひとりが蘇相談役である。当初こそ電気の街、でんでんタウンをアピールすることに主眼が置かれていたが、今では電気に加えてポップカルチャー、エレクトロものづくり、ロボットといった新しい要素として取り入れて国内外からたくさんの若者を集めるまでになっている。

■2020年には路面電車も

 そうした新しいでんでんタウンへと変貌する中、インバウンドへ向けた次なる取り組みも進み始めている。そのひとつが街へやって来る外国人観光客が、買い物情報など街歩きに役立ついろんな情報を簡単に手に入れられるようにしたことだ。
 日本橋筋商店街振興組合は2016年1月から、大阪府のOsaka Free Wi-Fiを導入して、Wi-Fi設備を完備させた。今は街に15基のWi‐Fiスポットを設置する。
 このほかにも防犯カメラの設置、日本橋総合案内所のコンシェルジュ機能の強化といった取り組みも進めている。
 また2020年には事業化へのメドを付けたいとする、でんでんタウンに路面電車を走らせるプロジェクトも、国内外の買い物客にゆとりある街歩きを楽しんでもらいたいというおもてないの心の現れにほかならない。

■1日1万人余の外国人観光客

 同書にはでんでんタウンと隣接する道具屋筋、黒門市場などインバウンドから人気の高い商店街も取り上げて、それぞれ商店街振興組合の理事長をインタビューしている。
 たとえば黒門市場には1日1万人以上の外国人観光客が訪れているが、このきっかけを作ったのが3年前に外国人観光客向けに作り始めた多言語観光マップだったという。今ではキャリーバッグを引きながら食べ歩く外国人観光客の姿は珍しくないが、意外と身近で簡単なことだった。

 それでも押し寄せて来る外国人観光客への対応は簡単ではなかった。文化の違いから起こるトラブルを解消しなければならなかったからだ。それはトイレとゴミ問題だったという。
 共同トイレを設置して多言語で「トイレあります」の案内をしたほか、飲食後に放置されるゴミを出さないために空き店舗を利用した飲食フリースペースを設けてそこにゴミ箱を用意した

 こうした「インバウンド旋風」によって黒門市場変わった。今までは年末の正月料理の材料を買い揃えようと詰めかける人たちの混雑ぶりが年に一度テレビで紹介される程度だったが、その街が大きく変貌したのである。




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